10月18日から20日まで滋賀県長浜バイオ大学ドームで開かれていた「びわ湖環境ビジネスメッセ2017」へ行ってきました。

今回は電気自動車関連の展示がほとんどないし、試乗もないと事前にわかっていましたから期待していなかったのですが、面白いクルマに出会うことができました。

(唯一展示されていた新型リーフ)

前日に書いた「加速するEVシフト」で紹介したBYDですが、会場では環境ビジネスに関連して「リン酸鉄リチウムイオン電池」を搭載した「電動」が展示されていました。


このに搭載されている電池容量は、ネット上のと当日いただいたカタログで違いがあるのですが、16kWhから21.6kWhの間(伺った話では18.4kWh)です。また、持ち上げることができる重さによって差はありますが、写真の物の価格は300万円以下とのことでした。

新型リーフが40kWhの電池を積み、約315万円(補助金が出て約275万円)ということを考えると電池容量あたりの値段は高いですが、倉庫や工場内を移動するだけという特殊なクルマですから、同じ土俵で比べることは無理があるでしょう。何よりもリン酸鉄リチウムイオン電池の寿命サイクルは4000回以上だそうですから1日に1回充電しても10年以上もつことになりますし、鉛電池仕様と比べても電解液の補充は必要ありません。さらに急速充電にも対応しています。

ところが、営業の方によると既存の鉛電池仕様のフォークリフトに比べると価格が高いため、反響や売れ行きは今ひとつのようでした。そこで、お節介とは思いましたが、電気自動車オーナーとしての目線から、2つ提案してみました。

一つは、や以前のリーフのように電池容量によってグレードを分け、2.5トン対応のものでも電池容量の差で価格に違いを設けるというものです。

たとえば、の場合は、16kWhのXグレードと10.5kWhのMグレードがあり、走行距離は短くなりますがMグレードは電池容量が少ない分安くなっています。長い距離を走ることができた方が安心感は増しますが、予算の制約もあり私はMグレードを選択しました。しかし、街乗りの車としては十分に満足しています。
も使われる環境によって使用頻度・時間は違ってくるでしょうから、電池容量が少なくてもよい現場はあるでしょう。また、急速充電に対応しているのですから、午前中の作業で予想以上に消費した場合は、昼休み中に追加で充電することも可能です。

もう一つは、せっかく大容量のリチウムイオン電池を積んでいるのですから、それを蓄電池としてや発電機として活用する方法です。

下の写真のように倉庫や工場などでは、広い屋根を利用して太陽光発電のパネルを設置しているところがあります。売電価格は徐々に下がってきていますから、近い将来的には売電するよりも自家消費に回した方が良い時期も来るでしょう。そこで、パネルで発電した電気の一部をの充電に回すのです。

現在、常設型の蓄電池価格は、ニチコンのの物で基本工事費を除いて200万円ほどしますから、すでにBYDのがあるならば、その中の電池を活用しない手はありません。
さらに、リスク管理の面から停電に備えたり、昼間に蓄えた電気を夜間に利用し電気料金を節約したりすることができるでしょう。を発電機がわりに使用するのです。

ガソリンを使う発電機は、いざという時にエンジンがかからないと意味がありませんから日頃のメンテナンスは欠かせませんし、ガソリンの取扱、エンジンの騒音・換気など使用中も配慮が必要ですが、は日々動かしていることで動作確認はできています。また、特別な配慮は不要です。

電気自動車を取り巻く環境では、そういったことを見越して電気自動車と家庭とを結ぶV2H(Vehicle to Home)し進化しています。

偶然にもBYDのブースの向かいにのブースがあったのですが、そのには売電から自家消費にむけた技術として「」のカタログがありました。

(画像:ニチコンのHPより引用)

また、急速充電口から電気を取り出す「」という機器も、以下のように紹介されていました。「」は、給電のみの機能しかありませんが、家庭のコンセント同じ1500Wの電気を3口(4500W)も同時に取り出すことができます。

BYDのにこうしたラインナップや付加価値をつけることができれば、世界的なEVシフトの流れの中でにとどまらない存在になるかもしれません。(と勝手に押し売りをしていました。もっと先では、「」のように、電力の卸会社の需給調整に協力することにより対価を受け取るような資産価値が将来は生まれるかもしれません)

ただし問題は、BYDの急速充電が仕様に対応していないことです。のように限られた範囲の中でしか移動しないクルマにとって、日本の充電規格である仕様は必要なく、用の充電器はBYDの仕様のまま使われているようです。

BYDのような大きな企業になると、実現のために自分のところで蓄電と給電をこなす機器を作ってしまうかもしれませんが、先ののような蓄電技術を持つ企業とコラボするのも現物を日本で早く仕上げる場面ではありえるかもしれません。

京都の路線を走る電気自動車バス(2015/04/06) もBYD専用の急速充電器を使っているのでしょう)


(過去のビジネスメッセに出てきた電気自動車たち)