(2018/08/15)

以前に東洋ゴムの静かなタイヤ(2018/08/03)を紹介しましたが、上記では、コンチネンタルタイヤ、ミシュランタイヤ、グッドイヤーの3社の製品や研究開発の状況を紹介しています。

電気自動車のような今までのガソリン車と比べられるような新しい製品が出て、それまでの市場を大きく塗り替える可能性が出てくると、「出る杭は打たれる」ではありませんが、必ずデメリットな所をことさら大きく取り上げ、後ろ向きな声が大きくなることはよくあることです。

特に今までの産業構造さえも替えてしまうとなると、もの作りの現場からは危機感の裏返しとして、批判めいた声が上がってくることもあるでしょう。上のタイヤメーカーのように新たなビジネスチャンスを生かす方法があるにもかかわらず。

例えば、次の記事はACEA(欧州自動車工業会)のレポート?を引用する形で、EVシフトに疑問を投げかけるものです。

(2018/08/13)

記事のタイトルは、興味関心を引くために極端な表現をされることがありますが、「EV普及は非現実的」はまさしく、そのパターンでしょう。

記事にあるように「現在EU域内に10万ヵ所の充電設備」しかないのに、EUの目標達成のためにはあと12年間で毎年「70万基」ずつ充電設備を作り続けなければならないと書かれると、それは「非現実的」だと思ってしまいます。

その前に私は、日本の急速充電器はおよそですから、それでも結構普及したもんだと思っていますが、ヨーロッパ全体では二桁も違うんだと、そっちの方をまず驚きました。しかし、よく調べてみると、「10万ヵ所」というのは、普通充電器も含んだ数のようです。

(2018/05/28)

日本の普通充電器は、およそですから、急速充電器と合わせた数は約2万2千カ所です。それならヨーロッパで「10万ヵ所」という数字は理解できます。

ダイヤモンド・オンラインの記事は、その辺りを誤解して書いているような気がします。

たとえば、「充電設備を新設するのにふさわしい場所を探し、充電器の設置、配電工事、充電設備の存在を知らせる看板などもろもろの手続きが、毎日700ヵ所以上で行えるとは思えない」とありますが、これは急速充電器を新設する前提ならわかる文章です。しかし、前に示したように数字が普通充電器も含んだものであれば、不可能ではないでしょう。

先日、近くのホームセンターへ行きましたが、屋外に設置する「防水コンセント」の棚の隣に「EV用普通充電コンセント」が置いてありました。日本の話ではありますが、電気工事士でしか取り付けることが出来ない特殊な部品にもかかわらず、需要があるのか「普通」に陳列されているのです。どの国でも需要が高まれば、普通充電器の設置は難しくないでしょう。(補足:充電に課金するとなると工事や手続きは煩雑になりますが、200Vの普通充電コンセントをつけるだけなら難しくはありません。どこにでも200Vはきているのですから)

EVシフトをふまえて「静かなタイヤ」のように次の商機をねらうのか、心地良い後ろ向きな話にうなずいている間にチャンスを逃すのか、そういう時期なのかもしれません。

(2018/08/20)